僕の彼女はレンタル彼女2

僕の彼女はレンタル彼女2

クラスで一番かわいい舞がレンタル彼女の仕事をしているという秘密を知ってしまい、より一層距離感を感じてしまった僕。少しでも舞に釣り合うような男になるべくして僕は考えた結果、ホストになろう!そう思った。

なんでホストかというと、女の子とスムーズに話せない自分が嫌いだったこと、かっこよくなる秘訣を知りたかったからである。しかも、最近ちょうど友達の大介に誘われていたのも何かの縁を感じていた。

僕はこうして新宿歌舞伎町のホストになった。今のホストは昔と違って、お酒を飲めなくてもやっていける。僕は週に1日歌舞伎町に勤務することにした。

普通ではない世界、アジア一の繁華街、欲望で溢れる世界、全てを受け入れてくれる街。そんな世界に身を投じることで、レンタル彼女をしている舞の気持ちや舞の生きている世界に少しだけ近づける気がした。

さらに、指名客をとれば、お金だってたくさん稼げる。

しかし、現実はそう甘くはなかった。ホストになっても腕が無ければ女性から指名されるわけもない。僕ははじめて新人として、新規のお客さんの席について接客を試みた・・・

もちろん、大敗。お客さんを掴むなんて夢のまた夢。僕は女の子とまともに話すことすらできなかった。お客さんは、お金を払ってきているのに、『ありえない』というようなリアクションでより一層自信を無くしてしまった。接客業がこんなにも難しいのかと思わされた瞬間であった。レンタル彼女をしている舞はどれだけ先のレベルに到達しているのだろう?

僕は凹んだ。お客さんを掴んでいるホストはトークが上手であったり、顔がずば抜けてかっこよかったり、かわいかったり。

僕は何を武器にすればよいのであろう。顔は極極普通。なら、トークを伸ばすしかない。トークを武器にしているホストを徹底的に研究した。

話すうえで、相手の心をつかむ心理学やお笑いも徹底的に研究した。そうすると、ある一定の共通項が見つかった。

それはまさに、『相手に対する尊厳』であった。僕が人見知りであったり、緊張してしまうのはなぜかというと、『自分が見られている、恥ずかしい。』といった、いわゆる、自意識過剰。これだと人の心はつかめない。自意識過剰だと、『人に良く見られたい』という自分の欲求が先行してしまうからである。

大事なのは、『相手に対する尊厳』で相手に楽しんでもらおうと努力することや相手に笑ってもらおうと努力すること。そう意識を変えるように努力をした。

『せっかくお店に来てもらったのであるから相手に笑ってもらおう』と意識して、一発芸やツッコミやボケを連発する。もちろん、スベる。

スベったら・・・続く。